「今、逃げるべき???」【原子力事故】とあなたの身体
世間が大混乱している原子力事故。
【原発の放射能】が【あなたに及ぼす影響】について書きますね。
役人と東電の説明が、あれほどわかりにくくて、
メディアが騒ぎ立てれば、みんな不安になりますよね。。。汗
私、元、
東京電力原子力技術者(原子力発電所の運転経験5年)
さらに、原子力トラブル発生時のマスコミ・官庁対応チームだった経歴から
今「逃げるべきか?」「まだ平気なのか?」悩んでいる方々に説明します。
■1番大事なこと
事故の内容よりも、結局「放射能がどのくらい出ているのか」をチェックすること。
燃料が溶けようと、火事が起ころうと、大事なのは「放射能が外に放出されているか」
どうかです。
そして、「その値がいくつなのか」です。
まず「単位」に注意してください。報道では、計測された放射線の値として
「マイクロシーベルト(μSv)」とか「ミリシーベルト(mSV)」とか言っています。
これ、大事です。
「マイクロ」と「ミリ」では、【1000倍】違います。
【マイクロシーベルト】→【ミリシーベルト】→【シーベルト】
1000マイクロシーベルト=1ミリシーベルトです。
・・・っで、肝心なのが、
「いくつになったら、身体に影響がでるの???」ってことですよね。
答えは・・・
「200ミリシーベルト(200mSv)以下は大丈夫」
ということです。(図を見てくださいね。)
覚えておいてください。
これはマイクロシーベルトにすると「20万マイクロシーベルト」です。
・・・ということで、マスコミが
「500マイクロシーベルト」とか、「1000マイクロシーベルト」とか
報道しているうちは、全く相手にしなくていいわけです。
たとえば、病院でCTスキャンを1回やると、
「6900マイクロシーベルト」です。
それから比べたら、500マイクロや1000マイクロは
大騒ぎする話では無いのがわかると思います(あなたの身体への影響という意味でね)
では、3月15日(本日)
「3号機の近くで400ミリシーベルトの値が出た」
というのはどうでしょう?
これは問題ですね。汗
200ミリシーベルトを超えているわけですから。
でも、慌てないでください。
大事なのは単位です。
単位は「400ミリシーベルト/h」です。
つまり、3号機の横に、1時間ぽけーっと突っ立ていると、
400ミリシーベルト放射線を受けますよ(←つまり被ばくしますよ)ってことなんです
これを読んでる人で、3号機の横に住んでる人・・・もちろんいませんよね。^^;
さらに、知っておいて欲しいのは、
放射線の影響は、「距離の2乗に反比例する」という性質です。
これはどういうことかと言うと、
放射線を出すものから、離れれば離れるほど、放射線の威力は
ものすごく小さくなるということです。
例えば、「2m離れれば1/4」、「3m離れれば1/9」という具合です。
(1つ前のトピックの図を参照してください。)
ということで、400ミリシーベルトがそのまま影響するわけではなく、
実際は、ものすごく小さな値になるのがわかると思います。
だから、「東京から今すぐ逃げよう!」なんて考えるのは、早すぎるわけです。
大事な事は、「放射線の値」を確認すること。
一時的に400ミリ出ても、その後下がってマイクロシーベルトの世界に入れば、
騒ぐことはありません。
400ミリが、1000ミリ、2000ミリと、どんどん上昇していくようなら、
そのときは、いよいよ「逃げる準備」を始めて警戒していけばいいのです。
「値」と「その傾向」
上がってるのか、下がってるのか。
これを見極めてくださいね。
さらに不安な方へ・・・
次に、こんな疑問があるかも知れません。
「では、なぜ近隣住民に避難命令が出ているの?」
「東京都内でも、放射能を検出したって話だよ」
答えは、
「放射能は、空気中のチリやホコリとともに、風に乗って移動するから」です。
「えっ?」「じゃぁ逃げなきゃ!」っと思いたくなるかも知れません。
でも、慌てないでください。
基本的に、風に乗って放射能は「拡散」します。
つまりどんどん薄まっていきます。
薄まれば薄まるほど、威力は弱まります。
こちらも、モニタの「値」を気にしましょう。
例えば、東京近郊での数値は「約1マイクロシーベルト/h」だったわけです。
これは全然問題ありません。
たとえば、先ほども書きましたが、病院でCTスキャンを1回やると、
「6900マイクロシーベルト」です。
これは1時間じゃなくて、1回です。(全然違います。)
6900マイクロシーベルト/回ということです。
それに対して、「約1マイクロシーベルト/h」は、
「そこに1時間いたら1マイクロシーベルト、放射線の影響を受けるよ。」
ということです。
値の意味さえを知っていれば、
「マイクロシーベルトのレベルであまり騒ぐ必要は無い」
ことがわかると思います。
どうでしょう?
これらを知っておけば、世間の動きに流されて、
「今すぐ逃げろ!」とならずに済むと思います。
冷静に数値を見て、冷静に判断しましょう。
参考にしてもらえたら嬉しいです。
一言だけ付け加えさせてください
「現場で頑張っている所員は”命がけ ”で
懸命に復旧作業を続けていることは間違いありません」
(作成者: 諸井 太郎さん)
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